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パリ日本文化会館で坂倉準三展「人間のための建築」開催

「人間のための建築」建築資料にみる坂倉準三展パリ日本文化会館で 2017年4月26日から2017年7月8日まで開催

↑ パリ日本文化会館 「人間のための建築 - 建築資料にみる坂倉準三」展

パリで坂倉準三展「人間のための建築」

2017年4月26日 ~ 2017年7月8日

パリ日本文化会館

パリ日本文化会館(Maison de la culture du Japon à Paris)はパリ15区にある日本文化に特化した施設、1982年に当時の仏大統領、フランソワ・ミッテラン大統領が日本の鈴木善幸首相との首脳会談で新設が決まり、山中昌之とイギリスの建築家ケネス・アームストロングが設計。1997年5月に完成して今年で開館20周年を迎えたことになる。施設は地上6階に大ホールが設けられた地下5階と広い展示ホールや図書館、茶室、日本語教室があり、生け花、書道などの日本の伝統文化を紹介している。
2017年7月8日まで「人間のための建築 - 建築資料にみる坂倉準三」展が開催されている。

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↑ パリ日本文化会館の館内写真

日本の近代建築家 坂倉準三について

ル・コルビュジエと坂倉準三
↑ ル・コルビュジエと坂倉準三

坂倉 準三(さかくら じゅんぞう、1901年5月29日 – 1969年9月1日)は、フランス人建築家ル・コルビュジエのモダニズム建築思想を受け継いだ日本の建築家。1901年岐阜県の造酒屋に生まれた坂倉準三は、1923年に東京帝国大学の美術史学科に入学し建築家を志すようになった。1929年に渡仏し1931年から念願のル・コルビュジエのアトリエに入所した。5年間のパリ滞在中坂倉は国内外の多くの建築家や文化人と交流し独自の建築スタイルを身に着けていった。当時まだ無名であった坂倉は1937年にパリ万国博覧会で日本館の設計を手がけ、建築部門のグランプリを受賞し、一躍脚光を浴び国際的な名声を得た。

パリ万博日本館 1937年(坂倉準三設計) 
↑ パリ万博日本館 1937年(坂倉準三設計)

坂倉準三が携わった建築はル・コルビュジエのモダニズム建築を一貫したものの、ジャンルは幅広く、公共建築(神奈川県立近代美術館等)や商業施設(新宿西口の小田急百貨店)、交通建築(高速道路のゲートウェイなど)そして個人住宅から広場など都市計画事業も含む。これらのプロジェクトで坂倉準三が意識したのは「人間のための建築」であり近代的な技法を用いながらも地域の伝統とその人を大切にした建築だ。

建築資料にみる坂倉準三

今回のパリ日本文化会館での「人間のための建築 - 建築資料にみる坂倉準三」展では坂倉準三の貴重な建築資料が時代別に紹介されている。4つの空間が設けられたパリ日本文化会館3階の展示ホールは4つのテーマで坂倉準三の思想を物語ったている。

第1部《1930年代のパリ》

第2部《戦争と建築》

第3部《無限成長美術館》

第4部《日本の都市風景となった建築》

坂倉準三「人間のための建築」展の構成図
↑ 坂倉準三「人間のための建築」展の構成図

「人間のための建築 - 建築資料にみる坂倉準三」展の4部構成

第一部《パリ万国博覧会日本館》

最初の空間《1930年代のパリ》では坂倉準三のル・コルビュジエの設計事務所の図面や坂倉準三がル・コルビュジエに宛てた手紙などの歴史資料、そしてパリ万国博覧会日本館の図面や模型が展示されている。

パリ日本文化会館の坂倉準三展「人間のための建築」パート1《1930年代のパリ》の展示作品
↑ パリ日本文化会館の坂倉準三展「人間のための建築」《1930年代のパリ》の展示作品

 

パリ万博日本館の模型(坂倉準三設計)
↑ パリ万博日本館の模型(坂倉準三設計)

第二部《パリ万国博覧会日本館》

パート2の《戦争と建築》スペースでは坂倉準三の帰国後の40年代の戦時中と戦後の作品が紹介されている。戦時中に関しては、坂倉の住宅建築の原点となる東京都世田谷区等々力の「飯箸邸」(1941年)や戦争組立建築の図面が並び、戦後の「高島屋和歌山支店」、「大阪スタジアム」、「東京日仏学院」等の作品図面が展示されている。

アンスティチュ・フランセ東京(旧東京日仏学院)の螺旋階段
↑ アンスティチュ・フランセ東京(旧東京日仏学院)の螺旋階段

第三部《神奈川県立近代美術館》

1950年に神奈川県立近代美術館の建設に坂倉の実施案が採用された。周囲の環境と調和した展示空間は海外でも波紋を呼び神奈川県立近代美術館は建築業界では世界に知られる美術館となった。当時の建築資料や模型、原図などが第3部《無限成長美術館》で展示されている。

神奈川県立近代美術館
↑ 神奈川県立近代美術館

第四部《日本の都市風景となった作品群》

次第に都市計画の壮大なプロジェクトに携わった坂倉準三の「渋谷計画」などの日本の建築と都市に大きな影響を与えた、人間を中心に考えたデザインが「人間のための建築 - 建築資料にみる坂倉準三」展の最後に紹介されている。調和的な都市計画という大規模なプロジェクトを進めながらも椅子やコート掛けなど、つい座ってみたりコートを掛けてみたいと思うような親しみのある「人間スケール」の家具をデザインした坂倉の「人間のための建築」の建築思想がよく身に沁みるパリ日本文化会館「坂倉準三展」の最終部だ。

坂倉準三のデザインした椅子とソファー
↑ 坂倉準三のデザインした椅子とソファー

 

田中智之《渋谷解体》1963 (スケッチ / 2017)
↑ 田中智之《渋谷解体》1963 (スケッチ / 2017)

関連講演会

講演会「坂倉準三がル・コルビュジエから学んだこと」
2017年4月26日(水) 18時

オープニング講演会
「坂倉準三」展のテーマである「人間のための建築」とは、家具や建築、ユルバニスムの中心に人間を据える坂倉準三の設計思想を意味している。本講演会では、坂倉のパリでの活動やル・コルビュジエとの生涯にわたる交流に焦点をあて、その設計思想が生み出された背景に迫る。

司会 :山名善之
講演 :高階秀爾
展覧会概要説明:鯵坂徹、萬代恭博、北村紀史

会場 : 小ホール
入場無料・予約制
所要時間 : 1時間半
使用言語 : 日本語(仏語逐次通訳付)

講演会 – 「パリで活躍する日本人建築家」
2017年6月10日(土) 15時

講演会
1937年のパリ国際博覧会日本館にて国際的な名声を得た坂倉準三と同じく、30代の若さでパリを拠点として国際的に活躍する日本人建築家・田根剛氏を招き、今日的観点から坂倉準三の作品、アーカイブについて議論する。

登壇者 :田根剛、山名善之、長谷川香

会場 : 小ホール
入場無料・予約制
所要時間 : 約2時間
使用言語 : 日本語(仏語逐次通訳付)
予約・販売開始日 : 5月10日

インフォメーション

ウェブ☆ パリ日本文化会館
住所☆ 101 Bis Quai Branly, 75015 Paris パリ15区
最寄駅はパリメトロ6号線のBir-Hakeim駅(ビラケム)
入場料☆ 入場無料
開館時間☆ 火~土 12:00 ~ 20:00
Facebook☆  https://www.facebook.com/MCJP.officiel
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